面接

　今週に入り、体が慣れてきたせいか、外を歩いていてもばてない。酷暑も山を越えたのか、朝の気温も高いと言うほどでもなく、気温の上昇も1時間くらい遅くなった感じがする。
　てなわけで、のんびりと起き、頭がはっきりしてきてから、極端に朝早くなくても散歩が出来そうなので、8時過ぎに、千葉神社にお水をもらいに出かけた。黒砂浅間神社による、参拝後、本殿の前で振り返り、周囲の木々を見るのが好きで、いつもちょっと時間を取る。参道の石段から吹き上げる風が、今日は涼しく感じる。数日前の夕方の風は生暖かく、残念な気分になったが、ああ、少し夏の終わりなんだなと感じられた。
　いつものコース。散歩していて暑いことは暑いが、時折吹く風に、安堵する。千葉駅付近は、コンクリートに囲まれていることもあり、空気が暑く感じる。そうして、千葉神社。
　参拝を済まし、お水をもらいに向かうと、前方に、女性？女の子？おばさん？夏用の黒のショートパンツに、黒のＴシャツ？見た目は若いが、顔を隠していてよくわからない。
　延寿の井（水神水寿の宮）に行くと、遠くからこちらをじっと見ている。気にしないでお参りして、ペットボトルにお水をもらう。結構時間がかかる。ちょろちょろの日だと、かがんだままの体制なので腰が痛くなる。今日は、普通の水量だった。ペットボトルがいっぱいになったので、蓋を閉め、外を拭いて、リュックの中に。当然、さっきの彼女は
いない。彼女がいたそばには天神様が祭られているので、そこにご挨拶。振り返り石段を下りようとしたら、先ほどの彼女が、他の祠の前で、次から次へと、お参りをしてる。
「あー、何か願い事があるのだな」と思いながら、教えてあげたいことがあるが、わざわざ行ってまでは、ご利益がないだろう。後で、偶然会ったのなら、それも神様の思し召しと、再び、本殿に戻り、挨拶して、帰路に就く。千葉神社には本殿と天神様の他に、祠が15・6あって、多くの神様が祭られている。出口前の鳥居に向かうと、先ほどの彼女が、お参りを済まして終えるところ。こちらの姿を見て、避けるように気の周りをまわり始める。「まっ、いいか」と思って、鳥居でお辞儀をして門に向かおうとしていると、彼女が小走りに、鳥居の横に飛び出してきた。
　やはり教えてあげようと、声をかけて、「あの橋が、願い橋、こちらの橋がかない橋、願い橋を願いをしながら渡り、次にかない橋を同じく願いながら渡ると、願いが叶うと言われている」と話し、「ついでに、この神社は、『天の御中主の神』と言うこの世界に初めて現れた神様を祭っている」。あれこれ言ってもわからないだろうと思い「つまり、一番偉い神様を祀っている。北極星なんだけど」と簡単に説明してあげた。すると、彼女が急に「今日、キャバクラの面接を受けるんです」と言いだす。「あの橋ですね、最後にここでお辞儀をすればいいのですか？」と聞くから、「鳥居は、結界を表し、ここからが神社、この鳥居、あっちの鳥居などの中側が神様の居場所、橋を願いながら渡るだけでいい」と教えた上げた。
　立ち去る小生にお礼を言うから、右手を挙げて答えた。
　帰りながら、ふと思ったのが、
　本当は、地元の氏神様にお願いするのが一番いい。もし、他の希望者がいて、同じく神様に願いをしていたら、神様は、公平に立ち振る舞うから、願いを聴いてくれない。本当は、目の前のことではなく、先々のことを考え、お願いをするのが一番でいいのだが。普段から。まあ、神頼みと言うのは、そんなもんだからしょうがないか。きちんと、住所・氏名をお参りの前に伝えるのが良いのだが、など教えてあげればよかったな。
　心でうまくいくことを願っていた。
　ちなみに、すぐそばの出世弁天、これは、あの界隈の色街・繁華街の守り神様なのだが、いつも、この街が何事もなく平和でありますようにとだけをお願いするお参りで帰ってくるのだが、今日は、その子の願いが叶いますようお願いしておいた。