土曜日の朝、8時台の千葉神社、境内には、数えるほどの参拝者。お水をもおうと、美寿之宮の霊泉・延寿の井に向かうと、井の傍らに少女が立っている。 5歳くらいか? とくだん水を飲むわけでもなく立っているだけ。マスクをしているが、賢そうな顔立ち、たたずまい。
近づきながら、「おはよう」ではなく「おはようございます」と声をかけた。多分、そちらの方がいいだろうと、咄嗟に判断した。相手からも、丁寧に「おはようございます」とはっきりした声で、返事が返ってきた。その声、抑揚、話し方からも、賢さが伝わってくる。お水をもらおうと、ふと美寿之宮に目を向けると、その前の井戸でカラスが水を飲んでいる。彼女はそのカラスを、静かに見ていたのだ。
「カラスが水を飲んでいるね」と言うと、少女から「カラス」という声が帰ってきた。カラスを驚かしたくなかったので、ちょっと様子を見ていたら、母親が、近づいてきた。挨拶をかわして、この神社の御再任を知ってますかと聞いて、うんちくを話した。カラスがいなくなるまでの時間稼ぎだったのだが、それを感じ取ったのか、カラスが、井戸から、井の後ろにある小さな宮、美寿之宮の屋根に移った。ちょうどかがんだときに、顔の正面になる高さ。
カラスもどいてくれたので、ペットボトルにお水をもらったが、その間、カラスは、じっとしている。少女もしばらくその姿を見ていた。もらい終わると、カラスも移動し始め、少女も、別の場所に移動した。じっとカラスを観察していたのだ。
小柄だが、賢く、マスク越しだが、きりっとした顔立ち。オーラさえ感じる。その母親もそんな感じだった。なんとなく、清々しい朝を感じた。
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